虫歯治療
虫歯とは
虫歯の痛み
歯の中には神経があり、生体を守っています。
神経がなければしみることもありませんが、虫歯になったときに痛みを感じたりして気づくことができます。
虫歯の程度はC0~C4に分類されますが、初期のC0~C1ではほとんど痛みを感じません。C2~C3に虫歯が大きくなれば痛みを感じますが、処置もだんだんと大きくなっていきます。
虫歯ができると、表層の硬いエナメル質を溶かし内側の象牙質に到達します。象牙質はエナメル質ほど硬くないのでここから虫歯が一気に広がることが多いです。
象牙質には無数の細かな穴があいており、神経まで交通しています。この状態で食べ物を食べると、この穴から神経に刺激が伝わりしみる感じがしたり痛みを感じるようになります。
虫歯の原因について
虫歯は歯の表面についたバイオフィルム(細菌)がエナメル質を溶かし進行します。
理論的には歯についた汚れを落とせていれば虫歯にはなりませんが、人それぞれ食べ物の趣味や生活リズムは異なります。当院では虫歯を治療するだけでなく、虫歯になった原因を考え、虫歯になりにくい環境作りをする事を第一に考えて治療に当たります。これが次の虫歯の予防につながります。
治療の痛みに対する配慮について
虫歯治療ではどうしても削る作業が必要になります。治療時の痛みを減らすために麻酔を使用します。麻酔をする前に表面麻酔を使い周囲の粘膜を麻痺させると針の刺入時の痛みをやわらげることができます。
小さな虫歯では麻酔の必要なく治療ができます。
どのタイミングで削るか、
経過観察の考え
C0と呼ばれる初期虫歯の段階では治療は必要ありません。きちんと清掃できていれば再石灰化によって虫歯の進行が止まるもしくは遅く出来るからです。
この場合、歯磨き粉や洗口にフッ素入りの物を使用すると、虫歯の予防効果が高くりなります。また、C1の少し進んだ虫歯であっても、部位や口腔内の清掃状況によって経過をみることもあります。
症状段階別の特徴と
治療内容
C1
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C1はエナメル質に限局した虫歯です。
虫歯の部位や清掃状況によって進行のリスクが低い場合は、治療せずに経過をみます。削るのはいつでもできますが、削ってしまうと元には戻れないためです。リスクの高いC1虫歯は、削ってレジンで修復します。即日の修復が可能です。
C2
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C2は象牙質に進行した虫歯です。
外側のエナメル質は硬い組織ですが、象牙質は水分を含んでおり柔らかい組織です。虫歯がエナメル質を突破してしまうと象牙質で一気に広がります。見た目には小さな虫歯ですが、治療を始めてみると大きい虫歯だということはよくあります。
C2の虫歯はC1に比べて大きいので、レジンで即日修復出来る場合もありますが、型取りしてつめるIn(インレー)やOn(アンレー)をお勧めすることがあります。
C3
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C2よりもさらに虫歯が進行し歯髄(歯の神経)まで到達しているものです。
根管治療(根の治療)が必要になりますので、複数回の治療が必要になります。急性期のものはズキズキ痛みが出たり、腫れたりします。慢性の虫歯は痛みがないことが多いですが、虫歯が深く根の治療をした後に歯冠長延長術(surgical crown lengthening)などの外科処置が必要になる事があります。
C4
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虫歯によって残根状態になったものをいいます。
残根状態とは、虫歯や破折によって歯茎のラインまで歯がなくなってしまったものです。抜歯が選択されますが、一部歯根が長いものなどは矯正で歯を引き上げたり(Extrusion)歯茎のラインを下げたり(Crown Lengthening)して保存可能なものもあります。個々の歯の状況によりますので、担当医にご相談下さい。